気をつけたい犬のアレルギーと対策

上目遣いの茶色い犬

 

いつも痒そうに体を掻いていたり、赤い湿疹ができていたり、同じ場所ばかりずっと舐めているワンちゃんを見かけることがあります。

 

そういうワンちゃんはもしかするとアレルギーを起こしているのかもしれません。飼い主が気づいてあげなければ、ワンちゃんはずっと掻きむしり、どんどん悪化させてしまいます。

 

早めに気づいて獣医さんに診てもらうことが大切です。

 

最も多いのが皮膚の疾患

 

ワンちゃんで一番多いアレルギーは皮膚の疾患です。その原因はさまざまですが次のような症状が見られたら注意が必要です。

 

  1. 体を痒がる
  2. 毛が抜けている(ハゲになっている)
  3. 目の周りや口の周り、股の内側など皮膚の薄いところが赤くなっている
  4. フケが出る、多くなる

 

なぜ痒がっているのか原因を知ることが大切ですが、ワンちゃんのかゆみの原因は大きく分けて3つあります。

 

 

マーキング用白背景
ノミやダニによるもの

 

ノミ(イラスト)

ノミ

ノミは犬の体に寄生する外部寄生虫です。日本では主にネコノミが多く、体調1〜3mmほどです。

 

成虫のノミの好物は動物の血液で、オス・メス関係なく血を吸います。幼虫はペットの食べこぼしやフケなどを食べ血は吸いません。

 

ノミのジャンプ力は驚異的で、体長の約60倍の距離、約100倍の高さを飛んで動物に寄生します。

 

ノミの成虫が犬の体に寄生するとかゆみのため引っ掻いたり、噛んだりして皮膚炎を起こします。アレルギーを起こすこともあり、脱毛や赤いブツブツができたりします。

 

犬の体に寄生しているのは成虫だけでノミの卵や幼虫、サナギはいつも犬が過ごしている場所や部屋の隅などに潜んでいます。

 

犬の体に寄生しているノミの成虫だけを駆除しても、卵から孵化したノミが再び寄生することになりかねないので、ワンちゃんがいるところは清潔にし、ノミの駆除を徹底的に行うことが大切です。

 

ダニ(イラスト)

マダニ

犬の体に寄生するのは主にマダニです。マダニは主に草むらなどに潜んでいて、散歩をしている犬を待ち伏せしています。

 

マダニの栄養源は動物の血液で、幼ダニも成ダニも吸血します。

 

マダニに噛まれるとマダニの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみを引き起こします。また、大量のマダニに吸血されると貧血になることもあります。

 

その他マダニが運ぶ病原体がバベシア症や日本紅斑熱、ライム病などさまざまな感染症の原因となります。

 

ノミ・ダニの駆除法は

犬の体にノミやダニを見つけた場合、注意深く取り除きます。誤って潰してしまうと、卵が散乱したり、体に持っていた病原菌から感染症を起こしてしまう危険性があります。

 

特にダニが血を吸っている最中に無理やり取ろうとすると、ダニの口やツメが犬の皮膚に残ってしまいます。この場合は無理に引き剥がさず、動物病院で診てもらいます。

 

さらにノミやダニを寄せ付けないためにも、適度なブラッシングやシャンプー、トリミングなどを行いましょう。

 

犬の体についたノミ・ダニだけでなく、犬がいつもいる場所は念入りに掃除をし、清潔を保ちます。ノミやダニの繁殖はジメジメした季節だけだと思われがちですが、最近は冬でも暖房することもあり一年中注意が必要です。

 

ノミ・ダニは犬だけでなく人間にもうつります。人間がノミやダニに刺された場合、皮膚は腫れて強いかゆみがあります。

 

また、マダニは命に関わる危険な伝染病を媒介することがあり、死亡例もある恐ろしいものなので、けっして素人判断はしてはいけません。

 

 

かゆみは長く続き、掻き続けることで痕が残ることもあります。ノミやダニに刺されたかなと思ったら、早めに薬を塗ることが大切です。

 

マーキング用白背景
カビや細菌によるもの

 

何らかの原因で弱くなった皮膚には、ブドウ球菌などの細菌やマラセチアなどのカビが増え、感染を引き起こします。

 

ブドウ球菌もマラセチアも皮膚常在菌ですが、アトピーなどで皮膚の抵抗力が落ちてしまったり、なんらかの理由で皮脂の分泌量が増えすぎたりすると異常増殖し、強いかゆみをもたらします。

 

犬は何度も繰り返し掻きむしるため、皮膚がさらに傷ついたり、傷口に別の細菌が入り込み二次感染を起こすこともあります。

 

ワンちゃんがかゆがっている、赤い湿疹があるなど明らかにトラブルがある時は、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。

 

治療法は?

動物病院では皮膚に何が増えているかを知るために、皮膚をかきとったり、テープを貼り付けて顕微鏡で確認します。その上で、それぞれにあった抗生物質や抗真菌剤の投薬や局所療法で治療します。

 

ペットショップやホームセンターでも予防薬は売っていますが、医薬部外品になるので、やはり効き目が弱くなります。可愛いワンちゃんのために医薬品を取り扱っている動物病院に診てもらうことをおすすめします。

 

マーキング用白背景
アレルギーによるもの

 

ワンちゃんがかゆがっている理由がノミやダニ、カビや細菌による感染でない場合は、アレルギーが考えられます。

 

アレルギーも大きく分けて2つに分類されます。それは食物アレルギーと環境アレルギーです。

 

食物アレルギー

 

食物アレルギーによって起こる症状は皮膚炎や下痢・嘔吐などがあります。

 

いつもかゆがっていたり、口や目・背中やお腹に炎症があったり、うんちの回数が多いと食物アレルギーが疑われます。

 

このような症状が現れたらまずは動物病院で血液検査をしてもらいます。これは人間のアレルギー検査と同じですね。血液検査によってアレルギーになっている原因が何か、アレルギーの強さはどれくらいか分かります。

 

食物アレルギーの原因は食べ物に含まれているたんぱく質が引き金になっているといわれています。

 

犬の食物アレルギーの主な原因になる食べ物
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 大豆
  • 小麦
  • とうもろこし
  • 乳製品

 

食物アレルギーの対策はアレルギーを起こすものを食べないことです。ドッグフードの原材料の中にアレルギーを起こすものが入っていないかよく確かめることが大切です。

 

 

無添加ドッグフードやプレミアムドッグフードはトレーサビリティコードがついていて、それにより原材料も製造方法も全て消費者にわかるようになっています。

 

食物アレルギーのワンちゃんがいる飼い主さんは安心して購入することができますね。

 

アトピー性皮膚炎

 

その語源のように珍しいものではなくなってきたアトピー性皮膚炎。

 

動物病院でワンちゃんがアトピー性皮膚炎だと診断されたら、少し大変ですが飼い主さんがあらかじめ避けれるものは避けて原因を予防します。

 

まず、アレルギーの原因物質となるアレルゲンを除去しなけれななりません。

 

主な原因物質

ほこり、ダニ、フケ、花粉、カーペットなどに含まれている材料

 

また、遺伝的な要素でアトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種もあります。

 

アトピーになりやすい犬種

シーズー、ボストンテリア、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ダルメシアン、パグ、ブルドッグ、ミニチュアシュナウザー、アイリッシュセッターなど

 

ペットのアトピー性皮膚炎の対策としては、掃除をこまめにする、空気清浄機を設置する、じゅうたんやカーペットを取り除くなどがあります。

 

ほこりやダニの死骸、フケなどは溜まりやすいので部屋のすみずみまでキレイにします。また、ノミやダニの温床にもなるので、じゅうたんやカーペットはなるべく敷かずフローリングにするのがいいですね。

 

フローリングはホコリが溜まって目立ちやすく、見た目に汚らしくなりやすいのが難点ですが、逆に考えれば汚れの程度がわかりやすいので掃除のタイミングも掴みやすいということですね。

 

カーペットなどはホコリやハウスダストは見えませんが、そのたくさんの毛の中には恐ろしいほどのアレルギー物質が溜まっていると言われます。

 

ワンちゃんはもちろん、そこに暮らす人のことを考えても、床の環境をどちらにすればいいかは一目瞭然ではないでしょうか。

 

アトピー性皮膚炎の治療法は

 

対策だけではワンちゃんの症状はなかなか良くならない場合や、すでに疾患部が悪化している場合は以下のような治療を行います。

 

投薬

主に内服薬での治療になり、かゆみを抑えるためのステロイド剤や抗ヒスタミン剤などがあります。その他インターフェロンや漢方を投与する場合もあります。

 

減感作療法

アレルギーを根本から治す方法が減感作療法だといわれています。

 

減感作療法とは原因になっている抗原(アレルゲン)を少しずつ皮下注射し、アレルギー反応をおこしにくい体質に変えていくというものです。

 

若い時に始めたほうが治癒しやすいと言われ、減感作療法の反応率は80%といわれています。ただ、長期戦になるので始めてすぐに効果は得られません。

 

始めたばかりは、アレルゲンを特定する検査や注射の回数が多いこともあり、手間とお金と時間がかかります。始めの1ヶ月はほぼ毎日通わなくてはならないので大変でしたが、近年は急速減感作療法が導入され、はじめの1ヶ月間に必要な注射を、入院して一日で終わらせることができます。

 

入院する分費用は高くなりますが、毎日の通院の手間を省くことができます。また、安全性や効果も従来の減感作療法と差がないことが米国の論文でも証明されています。

 

ふだんの肌ケアのポイントは

 

アトピーの犬は皮ふバリア機能が低下しているため、皮ふの水分含量が少なく、細菌などに対する抵抗力が低くなっています。

 

乾燥はかゆみをもたらし、かゆくて掻いて・・・と悪循環になりがち。それを止めるためにも保湿はとても重要です。しかし、人とは違い毛が全身に覆われているのでローションやクリームを塗ることは困難です。

 

ですので、保湿ケアの中心はシャンプーになります。市販品でも保湿成分の入ったシャンプーが売られていますし、また動物病院でもシャンプー療法を行っているところもあります。

 

ワンちゃんがアレルギーを持っていると飼い主さんもワンちゃんも大変ですよね。ワンちゃんは言葉にできない分かゆいと掻き続けてしまうし、そんなワンちゃんを見ていると可哀想だし。

 

今は、動物病院でさまざまな検査ができるのでワンちゃんがかゆがっている原因を突き止められるはずです。その原因さえ分かればあとは愛犬のために何をしてあげれればいいかですよね。

 

ワンちゃんも飼い主さんも穏やかな気持ちで毎日過ごせるように、ワンちゃんがいつもと違う感じがすれば早めに動物病院に行くことが大切ですね。