最初のドッグフードは1860年に販売

海辺に座る女性と犬と子供

 

今では犬を飼っているほとんどの人がドッグフードを与えているのが現状です。時間も手間もかからず便利なドッグフードはいつ頃誕生したのでしょうか。

 

もちろん食べ物なのでドッグフードとしての「商品化」のはじまりという意味になりますが、それでいうと1860年にイギリスで事業化されたのが始まりとみていいと思います。

 

当時、船員たちの航海時の食料だったビスケット。長旅を終えて帰港後は余ったビスケットを波止場に捨てていました。

 

この捨てられたビスケットを犬たちが食べているのを見たのをきっかけに、犬用ビスケットを製造販売したといわれています。安価に製造するために穀物のカスに端肉を混ぜて作っていました。

 

アメリカでも同じ頃、ドッグフードの製造販売が事業化され、こちらは小麦、ビートルート野菜、牛肉の血(!)を混ぜて作られていました。

 

世界大恐慌、経済悪化から低コストの穀物主体に

 

1930年頃の世界大恐慌により各国の経済情勢が悪化、人間も食べることが困難な時だったので、ペットどころではなくなる家庭が続出しました。

 

何とか飼い続けている家人も、ペットに与えるエサを安く済ませようとしました。そこで肉よりもコストの安い穀物主体のドッグフードが出回るようになり人気になりました。

 

戦後のドライ加工ブーム

 

長く保存できるドッグフードの缶詰は以前からアメリカで販売されていましたが、第二次世界大戦後ドライ加工ドッグフードの売上が伸び始めました。

 

ドッグフードメーカーは穀物のカスや人間用には使用不可な肉や肉副産物など、いわば産業廃棄物的なドッグフードが作られていました。値段が安くまた犬に手軽に与えることができるのが魅力で、ドライ加工ブームになりました。

 

日本に始めてドッグフードが入ってきたのは、戦後に米軍が軍犬を連れてきた時だといわれています。軍犬のエサとしてドッグフードが入ってきました。

 

この頃の日本はまだ犬には人間の残飯をあげていたので、ドッグフードが売られていたのは軍犬のためでごく一部の小売店のみでした。

 

ロングセラー「ビタワン」の登場

日本初のドッグフードは1960年に「ビタワン」が登場しました。当時はドッグフードは米屋で売られていましたが、高価だったため買うのはブリーダーかペットショップくらいで、一般の家庭では残飯をあげるのが普通でした。

 

1970年代になると、ドッグフードもある程度普及してきます。この頃から飼い主がおいしそうに見えるように着色したり、パッケージを明るい袋に変えたりと、犬のためというよりは飼い主に買ってもらうためのドッグフードが出回ります。

 

またドッグフードは手軽に買えるスーパーマーケットで売られるようになりました。

 

プレミアム化、細分化、そして安全志向

 

ペットブームの発生もあり、衣食住に関してより人間に近い、上質さを求める飼い主がどんどんふえてきました。

 

ペットフードに関しても栄養や安全を求めるようになっていきます。プレミアムドッグフードが海外から輸入され、幼犬、成犬、シニア犬とそれぞれの犬に合わせたドッグフードも出てきました。

 

近年では犬を番犬というよりも愛玩として飼う場合も多く、ますますドッグフードにおける安全性が求められています。

 

農林水産省が行った「ペットフードの安全に対する国民意識調査」でもペットフードを購入するときに一番目に注目するのは何かという問いに「安全性」との回答が最も多くなっています。

 

 

ドッグフードの歴史からもわかるようにペットフードでは日本はイギリス、アメリカに随分遅れています。

 

海外のドッグフードは原材料にこだわったものや穀物を使用していないものなど犬の健康と安全を考えたドッグフードがあります。(そもそも安全基準のレベルが国内より高いので質がいいのもある意味当然と言えるのですが。)

 

真の国産で上質なドッグフードを求めるなら、安全性の水準を政策レベルで高める必要があり、すぐに実現というのはなかなか難しいのが現状ですね。